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大腸がん

中高年に増加している大腸がん、40代から要注意!

日本の大腸がん患者は、ここ50年で男性は約7倍、女性は約6倍に増え、今後ますます増加することが予想されています。女性では2003年に大腸がんが癌死亡のトップになっています。大腸がん増加の背景には、
(1)食生活の欧米化により動物性脂肪の摂取量の増加
(2)現代社会における精神的・肉体的ストレスの増大
(3)運動不足など肥満を促進するような生活習慣
(4)長寿にともなう社会の高齢化
など様々な要因が関与しています。

大腸がんの症状

肛門に近い部位に癌ができると、便の通過障害が起こり、便が細くなって「便秘」になったり、便秘と下痢を繰り返す「便通異常」が起こります。また便に血が混じる「血便」や、排便後に出血する「下血」が起こります。一方、肛門から離れた部位に癌ができた場合、出血しても肉眼ではわかりづらく症状が出にくい傾向があり、「貧血」ではじめて発見されることもしばしばあります。しかし、これらの症状は癌がある程度大きくならないと現れません。早期の大腸がんには、自覚症状はほとんどないと考えたほうがよいでしょう。

大腸がんを早期に発見するために

大腸がんは早期に発見すれば治しやすい癌ですが、初期には症状がほとんどないため見逃してしまうことも少なくありません。大腸がんを早く発見するためには、症状があればもちろんのこと、40歳を過ぎたら1年に1回便潜血検査を受けることをお勧めします。通常は自宅で2日分の便の一部を採取して、便中に血液が含まれていないかを調べる検査です。食事などの制限もなく、かかりつけの医療機関で簡単にできる検査です。進行癌のほとんどは陽性を示しますが、早期癌についてはすべて見つけられるわけではありません。また、痔など癌以外の出血でも反応が出ます。
次に大腸がんを疑う症状や便潜血陽性であれば、大腸内視鏡検査による精密検査が必要です。肛門から内視鏡を挿入して大腸全体を詳しく調べる非常に精度の高い検査です。また検査と同時にポリープや早期癌の切除治療も可能です。ただし、下剤による前処置が必要で事前に受診が必要です。電話などで問い合わせして大腸内視鏡検査のできる医療機関で受けてください。50歳を過ぎたらぜひ大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

大腸がんを予防するポイント

(1)適度な運動は大腸がんのリスクを下げるため、ウオーキングなど自分にあった運動を習慣づけ、ストレスを解消し肥満を予防しましょう。
(2)動物性脂肪やアルコール飲料は控えめにして、禁煙を心がけて下さい。
(3)食物繊維の摂取量が極端に少ないと発癌リスクが高まります。そのため発癌を抑えるといわれる抗酸化物質を多く含んでいる緑黄色野菜を含めて日々バランスよく食べましょう。
(4)腸内細菌のバランスを整え、腸の働きをよくするヨーグルトなど乳酸菌類を含む発酵食品を積極的にとるようにしましょう。

 大腸がんの予防には、これらのポイントを押さえ、少しでも危険因子を減らすことが大切です。また40歳を過ぎたら積極的に大腸がん検診を受けるよう心がけてください。

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